オススメマンガ・『幸せの時間』

 

 この話は名作とかベスト作品とか言うよりも

ヒマつぶしに読むのにはとても良い作品。

 

決してつまらないとかいう事ではなく、いや実に面白い。

多くの人がマンガに求めているのは

むしろこういう作品なんじゃないかと思う。

 

思わず引き込まれ夢中で読んでしまい

気づいたら周りが暗くなっていて

いつの間にか

時間が経っていたというような。

 

読み終わると、ああ、こんな日常じゃなくて

良かったなぁ心から思ってしまうような作品。

 

 

 

誰にでもありそうな欲望についつられて、いつのまにか

取り返しのつかない落とし穴に落ちてしまったような

そんなドラマを描いた作品である。

 

美人が現れて誘惑されてしまったら…

不正だとわかっていても大金が手に入ってしまったら…

とかそんな、

誰にでもあるような魔がさす瞬間を

ドラマチックに描いた作品である。

 

本当はいけないとわかっている。でもつい…

本当はだめだとわかっている。しかしつい…という感じに

主人公が徐々に破滅に向かっていくのを、

読者はハラハラしながらページをめくる手が

止まらないといった感じの作品である。

 

読書は読みながら、『それじゃあだめだろう』と思いながらも

『でも気持ちはわかる』というせめぎ合いの中で

結局それでどうなるんだと

先のことが気になって読んでしまう。

 

昼ドラになったというけれど

確かにそういう作品作りが向いている話。

基本的に日本人好みというか、いかにも

主婦が観ている昼ドラっぽい話だ。

 

 何でもない幸せそうな家族、しかしその裏は

誰しもが秘密を抱えて、明日破滅するかもしれないという

危うさ。

 

 

ただ、かなりエロい話なので

これは好き嫌いが分かれるかもしれない。

 

 続きものであり、なんとこの主人公の息子が

父親になったときに、自分の父のようにはなるまいと

決心するのだが、この作品よりももっとずっと

ダーティーな人生を歩むことになってしまうという

『新・幸せの時間』が出ている。

 

こちらはまだ完結していない。

これはこれで面白い。

 

新 幸せの時間 : 1 (アクションコミックス)

 

 

ちなみにこの作者は100億の男』を描いた

作者なのだけど、あの頃シリアスでも随分と

前向きな話を書いていたのでこの話を読んで

私は少し驚いてしまい、一体何が作者に起きてしまった

んだろうと思ってしまった。

 

 

100億の男(1) 100億の男 (ビッグコミックス)