オススメマンガ『こまねずみ常次郎』
こまねずみ常次朗 コミック 1-9巻セット (こまねずみ常次朗―日掛け金融地獄伝 )
- 作者: 秋月戸市
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/09/30
- メディア: コミック
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ナニワ金融道である。
ただ私はなぜかこっちの方が好き。作者は青木雄二ではないんだけど。
青木雄二プロダクションでいかにもナニワ金融道の流れをついだ感じの話。
非常におっさんくさい話なので、その辺で好き嫌いが分かれるかも
しれない。とにかく金!女!犯罪!というような感じの話で
かなり生々しいものだ。
ネットカフェでかなりハマった話。
そこのネットカフェが漫画をリニューアルするときに、
どうもこの話を破棄しようとしていたらしいので
譲ってくれないかとまで粘ったことが
ある(相手にもされなかったけど) 。
ああいうタイプの話ではない。
あれはいかにもちょっと今どきっぽいムードの闇を楽しむ話だと思うけど。
これはとにかく人のみっともなさを
楽しむような話である。
金策のためにとにかくいろんなあの手この手を考える。
借金のカタに土地を取り上げられないために
思い切って墓を立ててしまったばあさんの話がなかなか面白かった。
『法律では墓所を取り上げることができない』ということになっているらしい。
はーなるほど、と思いながらもその墓に向かって一生懸命お経を
あげている婆さんを見て借金取りが、くそ、何てこったいと悔しがる
ところがなかなかギャグっぽくて面白い。
これでいいのかというように見つめる主人公に
「宗教なんてこげな時にしか役に立たんから〜」と彼の上司は言うのであった。
こういうコテコテの関西弁が何とも似合う話。
主人公はヤミ金に追っかけられる側として登場するけれども
そのうち自分もヤミ金をするようになるが、
「金が全てとは思いたくない。」と言うような等身大の
誰にでも共感できるタイプの主人公に
なっているところが、
こういう話でも受け入れやすい要素の
一つかもしれない。
こまねずみ常次朗 コミックセット (ビッグコミックス) [マーケットプレイスセット]
- 作者: 秋月戸市
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2001/07/01
- メディア: コミック
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続編も出ていて自分も金融屋の社長として働くのが
こちらの『こまねずみ出世道』。
こういうのって二番煎じ的になりがちだからな〜と思いながら
読んだけれども意外や意外、こっちのほうが
面白いくらいなので
こちらもオススメである。
ちなみに『ナニワ金融道』の青木雄二はこういう話を書くだけあって
唯物主義的な人で、マンガでヒットした後は、マンガ家なんかやめて
働かずに生きるぞと豪語していて、
本当にそれを実行に移してマンガ家
をやめて悠々自適の生活を始めたのだけれども、なんとそれから
1年後にすぐに死んでしまった。
人間とは不思議なもの…。